各地の総合病院内にある緩和病棟では、様々な病気を抱える患者のターミナルケアが行われており、一人ひとりの患者や家族に寄り添うことができる人材が必要とされています。こうした現場で働く看護師の中には、担当の患者とのコミュニケーションや職場内の人間関係、業務の難しさなどの悩みを抱えている人が少なくありません。また、高齢の患者の数が多い病棟においては、経管栄養や中心静脈栄養などの専門的な医療ケアを任されることもあるので、人によっては精神的な負担を感じることもあるようです。そのため、緩和病棟でターミナルケアに携わるときには、医師や先輩のフォローだけでなく、薬剤師やコメディカルスタッフの協力も得られる環境づくりが大切です。

新人や中堅看護師の割合が大きな緩和病棟の場合は、ターミナルケアの業務で役立つ研修を積極的に実施したり、ベテランの看護師や主任看護師によるフォローを強化したりしているところも少なくありません。ですから、ターミナルケアに初めて携わる人や、看護師としてのスキルや経験に自信がない人は、安心して働き続けるためにも、自ら周囲にアドバイスを求めたり、悩みがあれば早めに相談したりすることが大切です。

また、それでも対処できない場合には、転職という選択肢も考慮しましょう。患者に対して満足度の高い医療を提供している医療機関では、看護師に対しても不安なく働ける環境づくりを行っています。そのような医療機関に転職をすれば、ターミナルケアを行う場合も周囲からのフォローが期待できるでしょう。